2013/02/24
夏の花
十円玉を入れるとか砂糖を入れるといいとか
酢を入れるとか先端を焼き切るとか
あらゆる手を尽くすたびに
ありがとうと小さな微笑み、色あせてゆく
そして散りゆく
花
終わりがあるから美しいのよ、と、か弱い声でゆれる
最後の花
この花の茎が腐り、花びらが落ちたら
続いた時間が終わる
落ちた花びらに縁をのせ、
行く先は、二度とふれ合わぬ目線の先にある場所
さようならいつかまた。その声もとどかぬところへ
2013/02/17
まだら模様
延々と続く まだら模様 の大地の背中で
東京人は 滑って転んで踏ん張って怒って走って笑ってスキップして、滑って転んで踏ん張って……
雪と時間が描いた まだら模様
まだら模様の大地の背中で、日々を重ねて人生を過ごす
2013/02/13
姦詐と恩義と愛情と
姦詐と恩義と愛情が服を着て、デパートメントの通路を歩けば
ネームバッジをつけた天使が試食を片手に微笑む。
客は電卓を叩き、経営者は算盤をはじく。
陶器の心にカカオを掛け、不埒な赤いリボンを結べば、双方に笑みがこぼれる。
姦詐な女のメールに、喜んで金を使う男。
恩義としがらみを受け入れる、暗黙の風習。
一粒のチョコを豪華な贈り物に絡め、貢ぐ女。
愛情の押し売り、愛情の搾取、愛情の欺瞞 。
深夜に手紙を書き、友人と稚拙な計画を立て、
寒さとときめきで頬を赤く染めた、13の冬。
あの透明なときめきからは、遠く
きらびやかな売り場も、飛び交うハートも、全てが金メッキの輝きの中。
それでも、人はときめかねばいられない一日。
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