2013/08/19

情緒





火玉を見つめながら
 
 線香花火は、大人数でやっても
 結局は、ひとりになる
 そう、線香花火はどんな人も差別しないのだ  
 と、気づく。

深夜のベランダで
 か細い煙を浴び
 ガスのかかる、くすんだ星空を眺めながら


静かな夏。

 
  

 

2013/06/09

昼の花火


雨の合間を縫う
蒼を背に
弾ける
そのシルエットは

真昼の線香花火

風に揺れる 松葉の火花

決して 
落ちて
しまうことのない 火玉

消して
散りて
しまうことのない 常緑の花火






2013/05/06

ごぶさたしてしまいました

書こうとすると、
何かが起る(笑)

なぜに~
どして~

と悩んでいても仕方がない。
書こう!と。


きっかけは、とある発言。
そのことに、むかっ!としたから(笑)

負のパワー(怒り)を、エネルギーに変えて
進んでいこうじゃないですか。

このまま書かないでいたら、
むかっ!とした発言をした人と、同じ人になってしまう、私。
 
いやもしかしたら?
すでにそうなっているのかもしれない。
人は鏡、鏡のむこうに写るのは、他人の形をした自分の意思。
 
 
思い直さなきゃね。うん。

これから現状を片付けてゆくので
更新はまだまだ不定期になりそうですが……有言実行したいから、一応、ひっそりと宣言(笑)

2013/02/24

夏の花


十円玉を入れるとか砂糖を入れるといいとか
酢を入れるとか先端を焼き切るとか
あらゆる手を尽くすたびに

ありがとうと小さな微笑み、色あせてゆく
そして散りゆく


終わりがあるから美しいのよ、と、か弱い声でゆれる

最後の花
この花の茎が腐り、花びらが落ちたら
続いた時間が終わる

落ちた花びらに縁をのせ、
行く先は、二度とふれ合わぬ目線の先にある場所

さようならいつかまた。その声もとどかぬところへ


2013/02/17

まだら模様




延々と続く まだら模様 の大地の背中で
東京人は 滑って転んで踏ん張って怒って走って笑ってスキップして、滑って転んで踏ん張って……

雪と時間が描いた まだら模様

まだら模様の大地の背中で、日々を重ねて人生を過ごす

2013/02/13

姦詐と恩義と愛情と




姦詐と恩義と愛情が服を着て、デパートメントの通路を歩けば
ネームバッジをつけた天使が試食を片手に微笑む。

客は電卓を叩き、経営者は算盤をはじく。
陶器の心にカカオを掛け、不埒な赤いリボンを結べば、双方に笑みがこぼれる。


姦詐な女のメールに、喜んで金を使う男。
恩義としがらみを受け入れる、暗黙の風習。
一粒のチョコを豪華な贈り物に絡め、貢ぐ女。


愛情の押し売り、愛情の搾取、愛情の欺瞞 。



深夜に手紙を書き、友人と稚拙な計画を立て、
寒さとときめきで頬を赤く染めた、13の冬。

あの透明なときめきからは、遠く

きらびやかな売り場も、飛び交うハートも、全てが金メッキの輝きの中。
それでも、人はときめかねばいられない一日。

2013/01/15

うつつの夢





立ちこめる白の粒子で頭のGPS受信機は衛星を見失い、
自分の現在位置がつかめない。

雲の中に居るような、山中の秘湯に居るような、夢なのか現実なのか。
ついに体内時計さえも針を止めた。
遠くに滲む光は、街灯なのか、帰るべき家の灯りなのか、それとも。



暖かく湿った風が優しく呼ぶ。今なら飛べそうな気がする。

街灯に映し出された
白い湯気たて移ろう大気の流れは
宙で身体が浮力を失っても温かく抱きしめてくれる、という甘えと錯覚がよぎる、
だから。
 
 

「ねぇ、霧雨と霞と霧と湯気って、何なの? どう違うの?」
その声に引き戻され、僕は窓を閉めた。


◇ -------------end------------- ◇

LR44に於ける 理不尽



だからごめん、って
ごめんってば。

だいたいね電話で
「電池買ってきて。ゲームとかに使う小さいやつ。単4じゃなくて、丸いの。
 ううん、薄くて大きいのじゃなくて、もっと小さい、豆みたいなころころしてるの」
だけじゃ分からないよ。
男だったらそれくらいわかるでしょ!って、
アルカリボタン電池って、似たような大きさのものが一杯あるんだよ。
え?アルカリボタン電池って…この電池だよ、こういう小さい電池をそう言うんだよ。
今はその話じゃないって、そうだけどね。
君の言い方は曖昧すぎるんだよ。名称ぐらい……知らないって、そりゃそうだけどさ。

だからごめんって、ごめんってば。
明日買ってくるから。
LR44の方だよね?知らないって、見れば分かるって……痛っ、投げなくてもいいだろ。
だいたい、このおもちゃみたいなのは何だい?
どうしてそんなに大切にしてるの?
何で急に黙るのかな。わからないよ。
ああ、どうして今度は泣くんだよ……分からないよ。
そう拗ねないで、ほら、チョコ買ってきたから。
好きだよね、これ。
売ってたの見つけたからさぁ……そう君のために買ったんだよ、もちろんだよ。
うん、電池は明日の帰りに買ってくるから。
 
だから、ごめんって、ごめんってば。
約束したよ、買ってくるって。でもね今日は残業でもうヨドバシ閉まっちゃってたし。
え?コンビニで売ってるだろって?
そうかもしれないけど。
確かにコンビニは見てこなかったけどね、
コンビニなら君だって買いに行ける……わかったよ、行くよ、だから泣かないで、投げないで。
コンビニ行ってくるよ。うん。ビールも飲みたいしさ、行ってくる。
え?私はハーゲンダッツて……君……


◇ -------------end------------- ◇



十三夜




「荒川を渡るときは、必ず右側を見てね。綺麗な月が見えるから」

バカだなあ。
月は常に同じ場所に居座っているわけではない。
車が向かう方角でも、季節でも、日付でも、時間でも、月の位置は変わるんだよ。
大きな満月、青い月、赤い月、明星と月の笑顔、笠をかぶった月、
そして流星も、いちいち隣の君に教えられた。
運転中で横を向けないと言っても聞かない。

その前に、僕は月星になぞ興味はないのに。
その習慣は僕に残っている。
今でも荒川を渡るときは、右側を見てしまう。

君は、もう居ないというのに。



◇ -------------end------------- ◇

はじめまして

初めまして。
谷藤 麻瑚 (たにふじ まこ)と申します。


え~
このBlogは、
私の、実生活日記ではありません。
小説、なんていう、たいそうなモノでもありません。
私の心理状況を表現している訳でもありません。


言うなれば
「自分勝手にやっている 『ひとり、写真大喜利』」です(^◇^;) 
       
写真一枚でどこまで想像を膨らませられるか?という個人的楽しみの場であります。

元々、私には決まり切った「自分の文体」というモノがありません。いろんな文体で、色んな話を書くことが好きです(^o^)
そこにおもしろさを感じます。
今後も、いろいろな書き方をするかと思います。それは、

自分が楽しいからです(キッパリ!) 
今後とも、何卒宜しくおねがいいたします(ペコリ)